GEISAI MAGAZINE

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細川真希さんの初個展が開催!

GEISAI #6で銅賞を受賞したメダリスト、細川真希さんの初個展が7月に開催されます。
タイトルは「rotten secret」、直訳すると「腐った秘密」です。え?腐った??

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直接本人に確認すると、こういうことでした。
「ワインにしろ、チーズにしろ、ほどよく腐って熟成したものが美味しいですよね。自分の日常を、そういう言葉にひっかけてみたんです。」
なるほど~。
普段から絵日記で日常生活を楽しく描き表している細川さんですが、GEISAI #7のメダリスト展では、切り抜いた女の子のオブジェを上からつりさげたユニークな展示を行っていました。
今度は少し様子を変えて、絵画を10点ほど、ドローイング多数を展示予定とのこと。力が入っています。
中には、初めての試みであるコラージュ作品も含まれているそうで、その詳細については展覧会が開くまでの秘密だとか。
細川さんの日常がどんな味わい深い作品に変貌しているのか、今から楽しみですね!


細川真希個展「rotten secret」
会期=7月18日~7月30日
場所=LINGUA FRANCA(リングァ フランカ)
11:00-24:00 月曜休、但し祝日はオープン
神戸市中央区海岸通り5-2-5(2号線沿い)
tel. 078-556-7689
http://www13.ocn.ne.jp/~ozart/
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「うんこ三太郎のドイツ武者修行」第二部

GEISAI-7で一時帰国

 当分、日本に帰るつもりの無かった僕に2004年の年末、GEISAI-7でのメダリスト展の依頼が来た。僕は、ドイツには写真をやりに来るつもりでいて、うんこ三太郎な作品を全然作ってなかった。でも、やらせてくれるなら、もちろんやろうと思った。メダリスト展のブースは思ったよりも大きかった。今までより色々な事ができる。それから2ヶ月ぐらいの間に作品の案をたくさん出した。お台場の、東京ビッグサイトの、いつものGEISAIの活気の中、その中にあるうんこ三太郎のメダリスト展示スペース。その空気を想像して作品のイメージを作っていった。作品は結局絵が5点と、大きな漫画を使ったインスタレーション、それとアニメを作った。それぞれすごくシンプルなイメージだったと思うけど、自分の中ではすごく色々なものを詰め込んだつもりだ。作品を制作し始めたのは、2月にケルンからベルリンに引っ越してからだった。ベルリンの家はすごく広くて、そしてすごくボロくて入居してからトイレや電気関係を半月くらいかかって自分で直した。



 そんなボロくて広いアパートの一部屋をアトリエにして大きな絵を描いた。実はキャンバスに絵を描いたのは、ほとんど初めてだった。いつも展示の前はすごく不安があるけど、特に今回は日本を1年近く離れていたので、漫画の内容が笑えるかどうかが気になっていた。実は漫画のほとんどは日本に帰ってきて、たくさんTVを見て日本の空気に触れてから描いた。あんまり漫画の内容とは関係ないようだけど、描くとき微妙に影響してくる。こんな僕でも、作品作りには色々と試行錯誤があったりする。でも努力とかそういう事と面白いか面白くないかということ、これは別だ。自分の良いと思える事を信じるのみ。ドイツに来てから。ドイツの人は、何でも理由を明確にするのが好きだと思う。当日のお客さんの反応はというと、とりあえず名前を見て「なんじゃこれ」という反応はいつも通りあった。そういう中でもキャンバスの絵が良いとか、展示が気に入ったとか言う人もいたし、漫画を見てたくさんの人がよろこんでくれたし、以前スカウト賞をもらった人にまた声をかけてもらえたり、良い事がたくさんあった。反省点はたくさんあるけれど、ひとまずはよかった事にしよう。



文・写真=うんこ三太郎(芸術道場グランプリ銅賞受賞)
>メダリスト展の様子とプロフィールはこちら
うんこ三太郎HP

短期集中連載「うんこ三太郎のドイツ武者修行」第一部!

ティルマンスが会ってくれた!

 僕は、大学在学中に漫画をメインに使ったインスタレーションで賞を取った。大学を卒業後の2年間は写真の関係の仕事を幾つかして、去年2004年の4月からドイツに渡った。
 本当は、英語圏で英語を勉強して、その後カメラマンのアシスタントをして、そして職業的なカメラマンになれればと思っていたけど、直前になってドイツに方向転換してしまった。ある人に写真を見せて、「君はドイツに行くといい。」と言われ、ドイツ人には好きな写真家もいるし、それよりもピンとくる何かを感じたからドイツに来てしまった。アートをまだやって見たくなってしまった。おかげで言葉も全然解らなかったし苦労する事ばかりだったけど、運良く半年後には大学で聴講生をすることもできた。
 しかし、自分に強烈に影響を与えるような事は、ただ授業を受けるだけじゃもう経験できない。とにかく何か面白い事を見つけようとして出歩いた。そしたら色々な人と知り合えたし、その中で日本にいては経験できない事ができた。ドイツで起きた色んなこと、本当に色んな事があったけど。その中でとても大きかったことは、Wolfgang Tillmansに会ったこと。

 夏のある日、僕はWolfgang Tillmansが教えているという噂を聞いてフランクフルトの大学に行った。Tillmans は大学生の頃からずっと好きな、写真を使うアーティスト。僕は既に他の写真学校に通っていたけれど、もしTillmansの処で勉強できる可能性があるならそっちに移ろうと思っていた。ほどんど学校に来ないらしいので、会えるかわからないけど、取り敢えず行ってみた。やはり居なかったけど、なんとか会おうと思ってTillmansの教室のドアにかなり強引な張り紙をした。そこに通う学生にTillmansが来る日を教えてくれるように書いた。それと持っていたノートにTillmans本人宛に手紙を書いて、それを教室のドアに滑り込ませた。どうしても一度会いたいと言う内容を間違いだらけのかなり拙い英語で、、、。

 一ヶ月ほどして、突然知らない電話番号から電話がかかって来た。それはTillmans本人だった。
僕の為に時間を作ってくれるとのこと。その時間に学校に行って作品を見せたりしながら1時間半ほど彼と話をした。彼は僕の作品の大部分を気に入らなかった。そして一部をものすごく気に入った様だった。漫画やGEISAIで展示したものなども見せた。日本語表記のみの漫画をたまに笑ったり質問をしてきたりしてじっくりと読んでくれた。そしてアートや世の中の事に対する考え方をお互いに話し合った。結局僕はその学校に通う事は無かったけど、その時話したことは僕を成長させたというよりも、今まで自分の中で信じていた物をもっと強く確信させてくれる内容で、とても印象に残った。
 その夜、TillmansがDJをするイベントの招待してくれて、そのDJぶりの優しさに、また彼を好きになってしまった。




文・写真=うんこ三太郎(芸術道場グランプリ銅賞受賞)
>メダリスト展の様子とプロフィールはこちら
うんこ三太郎HP

小山登美夫ギャラリー・スカウト賞受賞者、桑久保徹展開催中!

純粋な画家としての道を行く 
桑久保徹ドローイング展


 GEISAI #2に出品後、#5で小山登美夫ギャラリーと『美術手帖』誌のスカウト賞を受賞した桑久保徹さんは、2004年2月に小山登美夫ギャラリー地階のProject Roomで個展を行い、なんと初日に作品完売という快挙を成し遂げました。
 ギャラリーの取り扱い作家として、アートフェアやGEISAIの画廊ブースにも出品されるようになった桑久保さんの状況は、めまぐるしく変わっています。ちょうど今も、小山登美夫ギャラリーのサテライトであるTKGY at lammfrommでドローイング展が開催されているところです(6月26日まで)。

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アートグッズのセレクトショップ、lammfromm the Concept Storeの一角にある、TKGYに作品が飾られています。

 ゴッホのような分厚いタッチの油彩画がトレードマークの桑久保さんですが、ドローイングもまた新鮮な印象を与えます。特に木炭で描いた大きな絵は、油彩のタッチと木炭の荒い筆致がシンクロして、なんともいい風合いを醸し出しています。あふれ出るように描かれたインク画を見ると、彼のイメージの貯蔵庫の豊かさをかいま見るようです。絵画を生むプロセスとしても、独立したメディアとしても両方楽しめるのがドローイングのよさなのです。

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Step by Step 2005 紙に木炭 51×65cm

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浜辺で星を待つ 2001 紙に木炭 51×65cm


絵を背負って売り歩く画家になりたい

 モネやゴッホなど、二十世紀の巨匠の画風をシミュレートした桑久保さんの作品は、見慣れた名画のもつ心地よさがある一方、砂浜を掘る人や地中から飛び出す花など、描かれている海辺の非現実的シーンが人の不安と好奇心を誘います。GEISAI #5の時には、あえて本名は隠し、モネやボナールと合体させた「Kuwoud Bonet」なる画家兼画廊主として参加したように、作品には、彼自身のアートの再解釈が色濃く反映されています。

画家が絵を描いて売り歩くという設定で、フィクションのような絵を描きたかったんです。美術家として生きるためにはどうしたらいいのか、ビジョンが見えなくて、もっと普通になにかを感じたいと思っていました。最初はパフォーマンスの一部として絵を描き始めたんですが、やってみたら絵を描くのが面白くて、パフォーマンスとかどうでもよくなっていきました。それと同時に、予期せず画廊にスカウトされて絵が売れるなど、画家を演じていた自分が現実にすりよってきました。思い描いていたことが本当に実現されてしまった感じなんです。」

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砂の穴に咲く20本の花 2004 キャンバスに油彩 91 x 116.7cm


GEISAIにはすごい熱量があった!

 アーティストとしての生き方を探っていた時に参加したGEISAIは、スカウトというその後の大きなステップをつかんだばかりか、描きたくても容易に絵に向かえなかった桑久保さんが、自分のスタンディング・ポイントを再確認するための場でもあったようです。

「貸画廊で個展をやっても、内輪の人しか来てくれない。当時は美術の関係者に見てもらえる場所がどこかわからなかったんです。美大の友達とか、アカデミックな美術の人間は、GEISAIはおちゃらけたアートだと思っていて、距離をおいている感じだった。僕自身もそうだったけれど、村上さんにも椹木野衣さんの文章にも共感できることがいっぱいあったし、もう少し市場原理を信用してもいいだろうと思ったんです。実際に参加してみると、ジャンクなものもあるけれど、すごい熱量があった。絵が売れるってどういうことなんだろう? 特権的な人だけにうけるようでは生きていけないなと思いました。

隣のおばちゃんも楽しめるアートを描きたい。

 多摩美術大学の油画科を卒業している桑久保さんは、在学中に様々な現代美術の洗礼を受け、逡巡の末に絵を描くことに戻った経歴があります。絵を再開した時にこだわったのは、なぜかゴテゴテした古めかしい油絵の手法でした。

「なんでもよかったんだけど、僕にとっては油絵だった。画家のおじいちゃんに憧れていたのも関係あるかもしれません。最初は日曜画家風に描きたくて、ゴッホに憧れているのにそれができない、病院に飾ってあるような気持ち悪い感じの絵が描ければなと。それが日本ではリアルだと思ったんです。隣のおばちゃん達でも楽しめる面と、虚構としての美術の面を両方もっている感じ。でもやっているうちに、やっぱりどうでもよくなって、ただ描きたいもの、綺麗だと思うものだけを描くようになっていきました。新しさをよしとする考えをはずして同列に見れば、浮かび上がってくるものっていっぱいある。今では近代絵画が大好きになりましたよ。」

 海辺で制作する画家や、砂浜に穴を掘る人といった海にこだわる幻想的なイメージは、「海辺を描く画家」という彼のつくった最初の設定から始まっています。砂浜や海への個人的思い入れは強く、きっとそこには桑久保さんの深層心理も反映されているのでしょう。けれど、想像的なイメージは自分の中から出られない、ゴッホのように目の前のものをただ描くほうが今は惹かれる、と彼は語ります。絵を描く初期衝動すらも冷静に観察している桑久保さんは、ただ無心で絵に向き合うためのきっかけをずっと探していたのかもしれません。その捻れた感じが、妙にリアルで面白く映ったのでした。

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トリナス II  2005 キャンバスに油彩 97 x 130.3cm

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1978年神奈川県生まれ。2002年に多摩美術大学油画科卒業。
7月に、渋谷に新オープンする東京ワンダーサイトでの二人展に出品。

*桑久保徹ドローイング展@TKGY at lammfromm the Concept Store
5月16日から6月26日まで

photo: Yoshitaka Uchida / nomadic studio
courtesy Tomio Koyama Gallery
(c) 2001 Toru Kuwakubo


ヴェネチア・ビエンナーレにも公式参加!? 謎のパフォーマンス集団・白Aさん登場!!

抱腹絶倒のテクノデリックコメディ
白A、世界へ向けて発信中!


GEISAI #7の銅賞を受賞した白Aさんのことが、実は気になってしょうがありませんでした。
黒い大きなボックスを穴から覗くと、中で白塗りの男達がハチャメチャに踊り狂う異色作は、審査の段階でも爆笑モノ。仙台出身のこの新進グループは、すでにして人気が上昇していました。

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ナニナニナニ? まずは口コミで話題となった銅賞受賞作。
>審査結果はこちら


テクノでパンクなパフォーマンス?!

ここ数年、正統派コンテンポラリー・ダンスとアートの中間のような、日常の動作や遊びを盛り込んだ新しいステージ・アクトが増えています。その流れにあるのか、歌もダンスも映像もやる白Aさんの破天荒な活動には勢いが感じられます。ちょうどデザイン・フェスタに参加するというので、ビックサイトにも足を運んでみました。

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5/14のデザインフェスタ、映像ブースでのアクト。映像とライブのコラボが面白い!

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広いステージでのアクト。右の人は突然イモの煮っ転がしを客席に配ります。
若干中だるみがあったものの、全体的に大胆な演出で健闘!



映像ブースとステージの両方にエントリーした白Aさんは、想像以上のハイブリッド・パフォーマンスを披露しました。ヒロシ風の脱力ギャグと映像を交えながら、マスクをした男達が歌う、演じる、踊る! 時々はずすコントもあったりするけど、つぎつぎ展開される構成はスピーディでエネルギッシュ。目が離せません。
「テクノデリックコメディ」をキャッチフレーズとする白Aは、トランス系テクノのスピード感と、アナログなお笑い感覚の両極を同時に意識しているようです。表現はまだ発展途上ですが、それでも今年はなんと、アートのオリンピック、ヴェネチア・ビエンナーレのパフォーマンス部門に参加するなど話題はつきません。ちょうど出発前の彼らに、メール・インタビューをしました。

それは新しいお笑いのカタチなのか!?白Aに聞く!

■ヴェネチア・ビエンナーレ出場おめでとうございます。公式ということですが、今度臨まれるパフォーマンスの内容はどのようなものでしょうか?
テクノ・ミュージックに合わせて、ダンス、歌、セリフ、小道具がグチャグチャに入り乱れるパフォーマンスをやる予定です。現地の人にも伝わるように、セリフはすべてイタリア語で喋ります(単語ばかりですが・・・)。」

■以前のヴェネチアにもゲリラで参加されたということですが、白Aさんの活動のコンセプトとスタイルについて改めて聞かせて下さい。先日のデザイン・フェスでは、お笑い、ダンス、歌、映像と、相当盛りだくさんでしたね。
「白Aの活動コンセプトはテクノデリックコメディ。それは科学的発想から生まれるトランス的な笑いという意味です。白Aのパフォーマンスを見た人に、これまで感じたことのない、第六感を刺激するような笑いを提供できればと思っています。」

■白A結成にいたった動機、変遷を教えてください。
「もともと演劇、お笑い、バンド、映像、キックボクシング(プロライセンス保持)など、全員別々の活動をしていたのですが、少しずつ吸収&合併していき、2002年10月に結成されました。ちなみにメンバーのほとんどは高校の同級生です。」

■制作はどのように行っているのですか?
「パフォーマンスの構成、企画を最初に考えて、それに合わせて音楽、映像、小道具、ポエム、ダンス、セリフetc.をつくり、パフォーマンスに乗っけていく感じです。演出はCocoona、音楽担当は岩井と柳、映像担当は佐藤、小道具担当は阿部、ポエム担当は荒井とそれぞれ役割が分担されています。」

■GEISAIに参加してよかったことはなんでしょう?
「審査員の方々をはじめ、たくさんの人にパフォーマンスを見て頂けたことです。」

■最後に、今後の野望を聞かせてください。
「誰も知らない笑い、誰も感じたことのない笑い、テクノデリックコメディを探求していきたいと思っています。

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↑写真は、5月30日の楽天vs.阪神交流戦での、始球式のパフォーマンス!
イタリアで無事敢行されたはずのパフォーマンス報告も、下記HPでまもなくアップされるそうです。8月にはロング公演も予定。破竹の勢いで展開中の白Aさんの活動は、今後も要チェックです!
白AのHP

GEISAI出身の人気アーティスト、加藤遼子さんが初個展開催!

ビター&スイート 
加藤遼子「水銀アイスキャンデー」展


 セーラー服にお団子頭、お尻に煙突をくっつけた女の子の絵で知られる加藤遼子さんから、初個展のお知らせをいただいたので、早速出かけてみました(紹介が会期に間に合わず恐縮です~)。場所は、昨年日本橋に新しくオープンしたGallery unsealです。

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ガラス越しに展示が見えるGallery unseal

 大通りから細い路地を入ったところにある画廊は、大きなガラス窓があって、通りからも中の様子がよく見えます。正面の壁に掛かった大作三点が、早くも目に飛び込んできました。キャンバス画の中・小品やドローイングも多数展示され、とにかく点数に多さに驚かされます。GEISAIでも出展されていたキューブ状の作品も数種類あって、加藤ファンには嬉しい充実ぶりです。

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GEISAIにも出された新作。構図も緻密で丁寧な絵づくりになった印象です。

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新しくボクシングのモチーフが登場!

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会場はぎっしりと作品で埋まっています。黒とパステルトーンの対比が印象的。

悪のなかで力強く生きる女の子

 展覧会のタイトルは「水銀アイスキャンデー」。スイートだけど毒毒しさもある彼女の作品の二面性をずばり言い当てた言葉だと思いました。一見かわいい絵の女の子たちは、蓮の上のユートピアにいることもあるし、ドロドロした廃液や工場地帯といったダークなイメージの中に描かれたりもします。本人が指摘する通り、無表情な同じ姿が繰り返されているのが不気味だったりもします。

「無愛想で、笑ってないですよね。特定のなにかではなく、女の子のことを描いています。水質汚染でもなんでも、私はなにかを救おうとか思っていなくて、いつも傍観者面をしてる。毒を喰うならそれでいいって。小さい頃から一種の破滅志向があって、死んだら無になるんだから、どうでもいいじゃんってつい思ってしまう。でも、悪にはいくらでもなれるのだから、やっぱりそうはならないように生きてかなきゃいけないですよね。人間社会のなかで、人と繋がって生きていくために、今、必死で絵を描いています。

GEISAIが転機になった!

 今春、東京工芸大学を卒業し、千葉の自宅で絵を描き続けている加藤さんは、GEISAIには2003年の#3以降、毎回出展してきました。その間、#4で受けたスカウト賞以外大きな受賞経験はありませんが、彼女の作品をGEISAIで見て気に入った画廊のオーナーから、今回の個展開催の話を直接いただいたそうです。最初に絵が売れたのもGEISAIでした。GEISAIで知り合った方々に個展のDMを送ったところ、予想以上の人が個展を訪れてくれたと嬉しそうです。

 加藤さんは、村上隆氏やカイカイキキ・アーティストたちの大ファンで、好きすぎて距離をおこうとした時期もあったそうですが、思い切ってGEISAIに参加したことで、自分自身のことも客観的に見られるようになり、制作にも集中できるようになったようです。
もっと会場で人としゃべりたい! GEISAIにはできるかぎり出展したいです。
そう語る彼女の顔が晴れ晴れしていて、とても印象的でした!

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会場で加藤遼子さんをパチリ。1982年千葉県生まれ。

★加藤遼子個展「水銀アイスキャンデー」
5月10日-28日@Gallery unseal
加藤遼子HP

リンク用バナーが完成しました!

GEISAI net.ですでにお知らせしているとおり、
HPへのリンク用バナーが各種サイズ完成しました!
くわしくはこちらに。

HPをお持ちのみなさん、どしどし貼っちゃってください。
基本的にリンクはフリーです。
ブログ用のプチ・バナーもあります(←左側参照)。
自分の日記にも、ぜひぜひぜひ。
お知り合いにもご紹介してくださいね。

GEISAIがつなげるネットワークの輪。
GEISAIリンク・プロジェクトに、気軽に参加してください!

GEISAI #7金賞受賞者、ハルノさんに突撃取材!

「プラスのマイナスじゃなくて、
マイナスの中のプラスがかっこいい!」


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1978年生まれの27歳。GEISAI へは数度の挑戦を経て、#7で金賞受賞。その受賞作はこちら

 キャンバスに布や靴型を貼り付けたダイナミックな作品で注目を集め、見事GEISAI #7の金賞を受賞したハルノさんは、現在、熊谷のご実家近くに借りたアトリエで制作に没頭する日々を送っています。ちょうど浅草に材料を仕入れに来られるというので、同行取材をさせていただきました。

大好きな靴の素材を作品に

 訪れた靴の材料店チカオさんには、布や縫い糸など、あらゆる靴の素材が揃っています。特別に通していただいたショウ・ルームには、世界中から集められた中敷きや靴底がぎっしり並んでいて、ハルノさんは貪るようにそれらを手にとり、どんどん選んでいきます。柄の凝ったカラフルなラバーソール、作業用の分厚いもの等々。いろいろなものがあって、想像がかき立てられますよね! と、とても嬉しそう。段ボール一杯のソールとクッション・シート、紙をどっさりと購入されました。

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「面白いですよねー!」 ずらり並んだインナーソールを吟味中


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購入した材料は、ソールや布など全部で7万円分。これらがどんな作品になるのか興味津々!


 もともと靴やファッションが大好きで、布やラバーを自然に材料に選んだというハルノさんの作品は、キャンバスに自由に配置したモノの質感が面白く、その日用品使いがラウシェンバーグのアッサンブラージュを連想させたり、軽快な構成がブラックのキュビスム絵画を思わせたりと、大胆でポップな中にもオーソドックスな美術の形式を感じさせます。パソコンを使えないという彼のアナログな感性が、逆に功を奏するのでしょうか。でも、本人は美術展はよく見るものの、とくに美術に詳しいわけではなさそうです。

素材を選ぶときは、服やスニーカーを買う時と同じで、いいなって思ったら買います。そこからまた広がったりしますから。スニーカーも、マニアックな趣味じゃなくて、いいものは後で手に入らなくなるからまず買っておく。わかる人にはわかるよさというのがかっこいいんです。ファッションは好きだから、いつか自分のお店を出したいという気持ちはあります。裏原でNIGOさんに勝ちたい! でも今はそれよりもやりたいことがあるから、作品を制作しています。

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最新作「エコロジー」にも、お馴染みの靴型が使われています


お笑いから芸術へ~ハルノさんの意外な経歴

 24歳で入ったセツ・モードセミナーでアートの勉強を初めてしたというハルノさんは、実は制作歴は2年ほど。高校卒業後に、お笑いの道を進んだというユニークな経歴をもっています。

20歳で芸人さんのところに弟子入りして、3年ほど住み込みで付き人をしていました。僕、田舎から出てきてすぐに師匠についたので、広い世界を知らないわけです。でも、どこに行くにも師匠と一緒だったので、、お笑いだけでなく、道場六三郎さんや畑山さんとか、食やスポーツ、陶芸、書画など、一流の人たちの活躍を間近で見ることができたんです。それで、これだ!と思った。表現の仕方が違うだけで、一流の人はみんな一緒だなと。自分の感性をお金にして、好きなことをしている人が本当にいるんだと知って、嬉しかったです。お笑いでは勝てないと思ったけれど、それ以上に素敵なものを発見して、技術をクリアしたら、僕も負けない!と思ったんです。

どんどん挑戦していきたい!

師匠のところを卒業したとき、ある人に、学校に行くだけでなくて、いろいろ試してどんどん表現して出ていったほうがいい、そしてたくさん失敗して、ダメなら辞めたほうがいいからって言われました。GEISAIに出し続けて、しばらくはなにもなかったけれど、#6で村上さんに、『面白いね。この突き抜ける感じを続けてください』って言われて、もっと自分なりに形にしようと意識してつくったら、金賞になった。自分がやっていることは、間違っていなかったと思えて本当に嬉しかったです。

 自信を得たハルノさんは、アートの一流になるべくニューヨークへの留学を決意し、先日は早速ニューヨークへ行ってチェルシー街の画廊を見て回ったところ、実は期待していた面白みが感じられずショックを受けたといいます。けれど、アートの一番だとされる場所で自分を磨こうという意志は固く、自分自身の美の指針も揺らいでいないようです。

新しいものだけでなくて、琳派とか古いものも好きです。勅使河原蒼風先生が好きなんです。壮大で、色気がありますよね。なにかをプラスするばかりじゃなくて、マイナスの中にプラスがあるのがいい。それは日本独特の感性だと思いますね。
 これからどこまで自分ができるのか、本当に楽しみです。どんどん自分に投資して、作品を見たら作者がわかるぐらいの確固たるところまでもっていきたいと思っています。


 弟子入りを卒業して以後、営業のバイトでプロ並みの才能を発揮した時期もあるけれど、お金をただ稼ぐことには興味がもてないと、彼はあっさり言います。若くして本物の味を知り、強気の姿勢で道を切り開こうとするタフなハルノさん。その先にどんな表現が現れてくるのか、心底楽しみになってきました。

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最新作「刀」には、テント生地を使用。ファスナーが切り跡のようです

GEISAI MAGAZINEがはじまりました!

はじめまして!
このたび、GEISAIをもっと楽しむためのコーナー、「GEISAI MAGAZINE」が創刊しました。

きたるGEISAI #8についての最新ニュースや、メダリストへのインタビュー、参加者たちのその後の活躍ぶりなど、GEISAIにまつわるトピックスやドラマを密着取材し、カジュアルな雑誌風にご紹介していきます。
ぜひご愛読ください!

また、今後はGEISAI参加者の展覧会やイベントの情報などもできるだけご案内していきたいと考えています。
発表予定のある過去の参加者の方は、左記のコンタクト先へ、どうぞお気軽にメールで詳細をお知らせ下さい。
ご意見ご要望もどしどしお寄せ下さいね。

それでは、GEISAI MAGAZINEをお楽しみ下さい!

編集担当:宮村周子

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