GEISAI MAGAZINE

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佐藤玲さんの連載コラム5!

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Let It Beかな?
私はある日、窓の外から工事用のチカチカした赤いライトが見えることに気がつきました。
いつからあるのかわからないけど、一晩中光っています。
そのライトは、ここで工事をしているとみんなに伝えるライトです。そのライトは私やみんなへのメッセージなのでした。

私は、こんな気づくか分からないような、小さい一つ一つのことに意味が込められているんだとビックリしました。
思えば鳥が鳴くことも、朝のあいさつも全部意味のあることでした。
どんなに些細なことでも、それらをやることでその先の展開も変わってくるということがあるのです。
しかし、ここでくしゃみをしたら、手を叩いた見たら…。と、そんな風に一つ一つを運命を決める事のように考えていたら、さすがに疲れると思います。

それから、すべてに意味があるのなら、何だか反対にすべて無意味な気もしてきました。ここで自分が意味の無いと思うことをやっても、その先の未来に作用して、結局意味のあることになってしまうのだから。
でも、無意味といってもマイナスだとは感じませんでした。
そういう風に思って生活して大分たってから、ふと「これが Let It Be なのかなぁ?」と、思いました。


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文・写真=佐藤 玲(アーティスト)

佐藤玲さんの連載コラム4!

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縮まない距離

私は、恥ずかしがったり照れたりすることが結構 少ない人だと思います。
しかし、いくつになっても照れてしまうものがあります。
それは…きれいな女の人です! わりと多くの人がそうかもしれないけど。
きれいな人といっても顔だけがきれいとかの意味ではもちろんないです。
私は女なのですが、なぜかかっこいい男の人じゃなくてきれいな女の人に照れてしまうのです。

苦手だということでは決してありません!
駅のホームできれいな人がいると進んでその車両にのるし、レストランのバイトではきれいな人にケーキを頼まれた時、かなり大きめに切って持っていったし(あとで店の人に大きすぎだと注意された)、なるべくきれいな人と接してみたいのです。
でも接したとたんに照れてしまうのは、きれいな人が私にとって絶対的な憧れの存在だからです。
もし私が、憧れの人と同じくらいきれいになったとしても、私と憧れの人との遠い遠い距離は絶対に縮まないのです。
それは小さいときからずっと思っていたことなので、自分より年上の人に感じる憧れのようなものかと思いきや、小さいときにきれいだと思っていた知り合いのお姉さんのそのときの年齢を私が越したとしても、はるかに今の私は幼く、きれいな人とはなんだかほど遠いのです。
私はいつになったら憧れの存在に近づけるのでしょう?
あと、関係ないのですがエスプレッソに何も入れずに飲む人を見ると私はそんなものを飲むときが来るのだろうか?と、思います。
いずれもまだまだ来ないなと心のどこかで
予感しながら…。


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文・写真=佐藤玲(アーティスト)

佐藤玲さんの連載コラム3

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病院

朝、駅の階段から転落して足を怪我してしまいました。
小さい傷なのですが、団子のようにはれてしまいびっくりしました。わりと深く切っていて中からぶよぶよしたものがでていて、それが何だかわからなかったので一応病院に行ってみることにしました。
ついでに最近肌の調子が良くなかったので皮膚科に行くことにしました。

外科がある病院を警察官に聞いて、そこをみつけたのですが、もうこの病院は閉鎖してるとそこに出入りしていた女の人が(この人は看護婦さんだそうです。)言っていました。
どうしたのかと聞かれたので、傷口を見せるとなんともないといった感じで、このぶよぶよしたものは皮膚だと言っていました。私はそれを聞いて安心しましたが、自分は本当にオーバーだということを実感しました。
でもぶよぶよが未知のものだったので、心配しても仕方がないのではないかなどと思いながら今度は皮膚科に行くと、夢野久作の「ドグラ・マグラ」に出てきそうなすごくおんぼろな病院で、おじいさんの先生一人しかいないし、婦人病科、性病科とか赤い文字で書いてあるところも加わって、すごく怪しい感じがしたので他の病院に行こうかと思っていたところ、おじいさんの先生に見つかってしまい、結局ここで診察を受けました。
先生はマンガのように私の顔を、大きな虫眼鏡でのぞきこみ、一言
「日焼けだよ。」
そんなはずがないのですが、すぐ直るといわれて顔にベッベッとベタベタの軟膏を塗られて終わりでした……また拍子抜けして、今度は思わず笑ってしまいました。

怪我や病気のことに関して、私はやはりオーバーなのでした。
心配するポイントは本当に人それぞれです。なんでそれを心配するの!?と他人に思うことはたくさんありますし、私もそう思われているのでしょう。
心配は小さいものでもきっと誰もがするけど、心配が不安になるとやっかいです。私はそうならないように、だんだんなってきたと思います。今日の出来事もきっと影響するのでしょう。

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文・写真=佐藤 玲

佐藤玲さん連載コラム2

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住みたくなるような街

下北沢に環七レベルの規模の道路を作るという計画が、現在進められています。
その名も補助54号線。
私がこの話を聞いたのはいつだったか忘れてしまったけど、時がたつにつれその実感がわいてきています。
絶対に、できないでほしい!

住めば都、とよく言いますが私もそうで、今まで住んだ場所は全部大好きです。山形に住んでいた頃は2歳くらいだったので記憶なしですが、その次に住んだ池袋本町はいまだに夢に出てきます。夢で出てくるのはいくつになってもそのとき住んでいた家なのです。
次に住んだ十条という町は私が思春期を過ごした町で、特に思い出があると思います。あの時感じた不安な気持ちは今、十条に行ってもよみがえります。でもそれは、今となっては悪い気はせず、むしろ楽しいのですが…。
そして、今住んでいる荻窪ももちろん大好きでお気に入りの場所や思い出を作り中です。
すごいのが、私が今まで住んできた町は自分でのぞんで住めたというところです。
一人暮らしならそんなこと当然かもしれませんが、そのとき私は小学生でもちろん実家暮らしだったのです。誰にも言ったことはなかったけど、小学生の私は「神様お願いします!十条に住めますように!」と願ったのでした。(十条なんて結構マイナーなんですけど変わった小学生です。)そしたら住めたのです。

そして、そんな私はいつからか下北沢に住むことに憧れを抱くようになったのです。もう、中学生の頃から思っていると思います。そんな長いこと思っているのだから、今度も叶うはずです。この場合の叶う、というのはただ下北沢(の付近でいいなぁ)に住むということではありません。私の思い描いている下北沢、つまり補助54号線のできていない下北沢に住むということです。これは、小学生の頃より、かなり本気の望みです。
絶対に、できないでほしい!


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文・写真=佐藤 玲

カイカイキキ・アーティスト、佐藤玲さんの新連載第1回!

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私は、詩を読むのが好きです。
私が読むのはわりと短い詩が多いのですが、その短さで、作者と何時間も話したのと同じくらいの意味が込められたりします。
かっこいい言葉の組み合わせをいつも探してます。
普通この言葉にこの表現はおかしいと思うものでも、詩にしてみるととてもイメージしやすかったり、その表現がぴったりだったりして、いつもの言葉がとたんに瑞々しくなります。
この世に無い言葉を使ってだって人に伝えることができます。

前に私の兄が詩の読み方がよく分からないと言っていました。
なぜかというと、自分が解釈したことと、作者が込めた意味があっているかわからないからだそうです。
私はいままでそんなこと考えたことありませんでした。
作者には悪いかもしれませんが、読む人によって解釈が無限に自由に変わっていくところも好きだからです。
なんだか絵に似ていると思います。
学校で延々勉強していたのはこの解釈についてですが、その時は今ほど詩を読むのを面白いと思っていなかったなぁ。

私は小学生の頃、教科書に落書きのないページはないというほどの落書き好きだったのですが、(作者の顔にヒゲやメガネはもちろん、教科書の内容を書き換えたりもしていた…)詩人の谷川俊太郎さんの顔にだけ落書きできなかったのを思い出しました。当時、なんだろうこの人…と直感で思っていたのです。今ではとても好きな詩人の一人なのです。

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文・写真=佐藤 玲

*佐藤玲さんは、2001年のGEISAI#1でカイカイキキにスカウトされ、同年、カルティエ現代美術財団の「Coloriage」展にてデビューを果たす。即興的、感覚的な色使いとタッチで不可思議な心象世界を描くペインティング、ドローイング作品を次々と発表中。写真は、日頃撮りためた日常の風景から。

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